◆津波記憶石26号 大船渡綾里駅前
「 津波てんでんこ 」とは三陸地方の言葉で「 てんでんばらばらに 」の意味です。津波がきたら他人だけではなく親や子どもでさえかまわず、それぞれ必死ににげよという古くからの教えです。
今回のこの文字は綾里地区の方々の要望で津波史研究家の故山下文男氏の書を正面へ彫刻しています。
◆ 加工 基礎工事 施工まで
◆ Designed by 高橋 朗
デザインについては、人智を超えた地球規模の「震災」であったこと、震災の日時、時間を記憶に残し、後世に伝えるために日時計の要素を持たせた。日時計の直角三角形の角度は綾里地区の経度39度。地面から伸びる長辺は震災時により高台へと人々を誘導する意味を持たせた。また、縁石の直径部分に彫り込まれたラインは津波到達ラインを示している。さらに半径の長さに鳥の象嵌がされた。三角形の赤御影石の先端は『 3.11 14:46 』刻々と変化する光と影が運命のあの時刻と重なるようにデザインされている。
スケッチでは「 上へ上へてんでんこ 」だった碑文が地元の方々の要望により大船渡出身の津波史研究家の山下文男氏書の「 津波てんでんこ 」へ変わっていることがわかる。
◆ Design Concept
大船渡市綾里駅は津波を逃れてきた人々が、ここまで辿り着いたことで一命を救われました。また駅そのものが人の出会いや別れを象徴する場であること、てんでんこの家族がこの広場で再会を果たした例があることからこの地に建立することにしました。
また彫刻については地元出身の故山下文男氏が唱えた「 津波てんでんこ 」の教え、震災の日時<忘れない 2011.3.11 14:46 >を後世に語り継ぎたいということから記しました。
形については人智を超えた地球規模の「震災」を思う時、震災の日時、時間を原始的大いなる自然の摂理の中で実感すべく、日時計の要素を持たせた。
日時計の針としての直角三角形の角度は綾里地区の緯度39度。地面から山側に伸びる長辺は、震災時により高台へと人々を誘導する形態を持つようにしています。
アトリエ獏 高橋 朗
◆鳥の象嵌(ぞうがん)について
象は「かたどる」、嵌は「はめる」と言う意味で、一つの素材に異質の素材を嵌め込むという技術です。
今回の鳥の象嵌は大船渡市の市鳥の「 ウミネコ 」です。
港や岬などに生息している留鳥で、当地方で「カモメ」と呼んでいる鳥のほとんどがこの「ウミネコ」。鳴き声が「ネコ」に似ているところからこの名が生まれてます。青い海に飛び交う白い姿は、港の空に明るい希望を描いています。
◆ 碑文
◆ 山下 文男
山下 文男(やました ふみお、1924年 - 2011年12月13日)は、いわゆる「津波てんでんこ」を広めた日本の津波災害史研究家である。元日本共産党中央委員会文化部長。『津波ものがたり』で「日本自然災害学会賞」功績賞、「平成15年度防災功労者表彰」などを受賞。
1986年以降、歴史地震研究会会員として著述と津波防災活動に従事。自らの体験を踏まえて近代日本の津波史を研究、『津波てんでんこ-近代日本の津波史』(新日本出版社)など多数の著作を通じて津波の恐ろしさを訴え続けた。津波の記憶を風化させまいと、学校などで体験を語る活動にも取り組んだ。
◆ QRコード
碑についているステンレス製QRコードを読み込むと3・11当日の様子が見られます。
You can see how the day reading the QR code and 3.11 stainless steelthat is attached to the monument.
QRコードが読み取れない場合は下記サイトでご覧下さい。
http://tsunami-ishi.jp/ofunato-ryori/
◆ YouTube
◆アクセスマップ
◆ 原石提供 制作
株式会社石井石材
◆ 施工協力
◆ 協賛社
清水屋(東京都) http://www.shimizusekizai.com/
http://www.otasekizaiten.co.jp/
いしとも(船橋市)
茅ヶ崎石材工業(茅ヶ崎市) http://www.chigasakisekizaikougyou.co.jp/
石乃家(逗子市)
神奈川石材(相模原市) http://www.kanagawa-sekizai.co.jp/
マルサン商会(横浜市)
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